2012年6月9日土曜日

カナダ 旅行記


カナダ 旅行記

 楽しい旅

2000年カナダ旅行(8月5日ー12日)

                 

 星を見上げる度にふと思う。 

  あのきらきらときらめく星はずっと昔亡くなったぼくの
父なんだろうかと。そしてぼくも,死んだ後あんなに輝いて
妻のことをずっと見守ってやれるのだろうか。

ボルネオで見上げた星、バリ島で、北海道の冬空で見
上げた星。どれもどれもすばらしかった。

カナデイアン・ロッキーの星はどんなだろう。

35年間の会社勤めにピリオドを打ち、新しい人生を
歩むことになったぼくと妻は8月5日、カナダに向かって
成田を飛び立った。

2000年、ミレニアムの年のカナダ
旅行のスタートだ。

ダラスまで13時間のフライト。3時間のトランジットの後
トロントへ。そこからまたバスで2時間。

宿舎のヒルトン ナイアガラフォールズへ到着したのは
もうかなり夜も」遅 かった。

夜のナイアガラ。

ライトアップされたおしゃれな滝はつんとすましている。
旅装をとくのももどかしくぼくと妻はスーツケースを放り出
して散策した。

ちょうど夏の3連休とかで、人、人,人の雑踏。人の波の向
こうにある滝はこじんまりして、あんまり迫力がない。

「ちょっとがっかりね」と妻。
長い旅の疲れがどっと出てきた。

朝のナイアガラ


翌朝、ヒルトンの22階にあるビュッフェに行く。テーブルに
つこうとすると、その向こうの窓の外いっぱいにナイアガラが
飛び込んできた。

轟々たる滝。飛び散る飛沫。堂々とした圧倒的な姿であの
ナイアガラの滝が目の前に出現した。

「わあ、すごおい」と妻。

ぼくは言葉もない。僕らが期待していたのはこの滝だ。夜の
滝」とはまったく違うスケールの大きなナイアガラがそこにあ
った。


朝食のあと滝の観光に出かけた。天気は小雨。

「霧の乙女号」に乗船する。ビニールの簡単なポンチョをもら
ってしぶきがかからないように顔もフードでおおう。

ゆるゆると 「乙女号」が進む。
瀑布に近づくとやはりスケールが大きい。
左手がアメリカ滝、右手がカナダ滝。アメリカ滝の橋の向こう
はアメリカのニューヨーク州だ。


ナイアガラフォールズ、カナダオークホテル

観光船は滝壷に突っ込むようにカナダ滝に近付いて行く。頭
の上から雪崩のように水が落ちてくる。
圧倒されるような水し ぶき。ポンチョをかぶっているが、
船の先頭部分に陣取ってい たぼくと妻は
あっという間に靴もズボンもびしょぬれ。

「失敗,失敗、ゴルフ用の防水ズボンを持ってくれば
よかったねえ」。

この日は一日、雨模様でズボンがなかなか乾かない。
観光船は何度も何度もぐるぐると滝の近くを回って、その度に
もうもうたる水しぶきの洗礼を受けた。

どこから見ても雄大なナイアガラの
滝。雨もちょっと降ってきたのです
が、水しぶきをかぶって気になりま
せんでした。
 

 

 

アイスワインとサンタクロース

カナダにはおとぎの国のような街がとってもよく似合う。

滝観光のあとナイアガラ・オン・ザ・レイクに行く。

ストリートの 両側にしゃれたお店。どの店も店先に
花があふれている。ちょ うどこの季節、カナダでは
あらゆる花がいっせいに咲き誇るよ うに花をつける。

日本と比べると、花の色が鮮やかで濃い。
赤も黄もブルーもど れも原色だ。

そんな一軒の酒屋に入り、アイスワインを買う。
40カナダドル。日本円で約3000円。

アイスワインは通常の秋の収穫期をとっくに終わったあと12月
ころから始まる厳冬期に収穫される。

マイナス10度を下回る厳 しい寒さが10日から2週間続くと、
カチカチに凍ったブドウの果 実から水分が抜けてくる。

街中、花が咲き乱れています。
かわいらしい馬車がとことこと…。


明け方、この凍ったブドウを摘んで搾り取って作るのがアイスワ
イン。甘いとろりとした舌触りが絶品だ。

買う時には,裏ラベルで収穫期とその時の温度をきちっと記載し
てあるものを確認するのが必要だという。
ワインのあとは有名なサンタクロースのお店。Xmasのグッズが
一年中あふれ返っている。

「かわいい。これ見て」
「これもかわいいー」


川はビクトリアの滝です。

妻は興奮気味。たしかにどれもこれもかわいい。髭がかわいいサ
ンタさんの人形を買う。すぐそばにはオンタリオ湖があり、湖畔で
しばし時を過ごす。

エメラルドの魅力


トロントからカルガリーをへてカナデイアンロッキーの街、バンフに
入る。宿舎はバンフスプリングスホテル。

前日、トロントのホテルで隣の外国人(こちらが外国人だが)が明
け方まで大騒ぎで一睡もできなかったが、こちらは違う。

日本人観光客であふれ返っているが、ロビーも部屋もレストランも
どれをとってもグッド。それでもホテルの団体客用(日本人用)のロ
ビーには、JTBや日本旅行や近ツリのデスクがあって、日本人が日
本語で応対しているのにはびっくりした。


ホテルのバルコニーや夕食のテーブルから眺める山並みの美しさ。
午後8時を過ぎているというのにやっと、日没の太陽の残照が山並
みをあかあと照り返す。

ツアーの食事はどこもまずいが、きょうはアルバータビーフのステーキ。
ほとんどの宿泊客がドレスアップしておしゃれをしている。男性はネク
タイにジャケット、ご婦人方は華やかなドレス姿。ナイアガラワインで
乾杯。

ぐっすり寝て、いよいよカナデイアンロッキーへ。
雄大な山脈をぬって車で走る。

カナデイアンロッキーの魅力は大自然の中に点在するエメラルド色の
湖だ。バンフからジャスパーにかけていくつもの湖水が
われわれを迎 えてくれる。

モレーン湖、エメラルドレイク、ペイトー湖、ボーレイクなど。

上高地の大正池や福島の五色沼のスケールをはるかに大きくしたとい
えば分かりやすいかもしれない。いやいや、そんな譬え自体
ナンセンス だ。

 やがて、コロンビア大氷原に到着。総面積325平方キロメートル。
標高が3000メートル近くあるので、きょうは快晴だが風が寒い。
日本の真夏の観光客でも防寒具が必要だ。

雪上車に乗って氷原を行く。


冬の間、降り積もった雪は夏になると溶 けだすが、溶ける雪よりも
降り積もる雪のほうが多いと氷原が形成さ れる。

それが堆積されて、厚さ30メートルにもなる氷の層になると、氷
河が出来る。1万年前、この氷河は遠くカルガリーの先にまで達してい
たという。いまは年々ものすごいスピードで氷河は後退している。

カナデイアンロッキーのホテルではバンフスプリングスと並んでシャトー
レイクルイーズが有名だが、レイクルイーズ湖畔に建つこのホテルは
周辺の雑踏がちょっと気になる。だが、あふれ返る観光客にも拘わらず、
この湖水のとてつもない魅力はなんだろう。


ホリデイインティントンフォールズ


モジリアニの作品に登場するあの引き込まれるようなエメラルド色の眼
差し。そんな憂愁と静けさがある。

エメラルドの湖水の向こうに真っ白な雪を抱いた山がある。湖を囲む緑
の樹林帯。湖水を散策する旅人に連れられたゴールデンレトリバーが
バシャバシャと湖で遊んでいる。のんびりずっとここにいたい。

帰り道、モレーン湖に寄る。車から降りて10分ほど山道を登る。その時
目の前がパッと開け眼下にエメラルド色の湖が広がる。この風景も捨て
がたい。

この日のホテルはキャンモアのラデイソンホテル。プチホテルだが、ロビ
ーの暖炉が赤々と燃え,居心地がいい。

ホテルの前からはスリーシスタ ーズと呼ばれる3高峰が指呼の間だ。
夕食は近くで捕れたニジマスのム ニエルだが、
これが食べきれないほど大きい。

これがロッキーだ。

夜、満天の星を見る。月がちょっと明るいのが残念だが、ロッキーの峰々
に星がキラキラと輝いている。北海道で見た星ともバリで見た星ともまた
ちがう。

旅の終わり

旅の終わりはバンクーバー。

1週間の2000年カナダの旅もいよいよピリ
オドだ。体調がすぐれず心配だった妻もどうやら無事。

旅の終わりにロブス ターを食べようと、ホテルにあった英文の
バンクーバー案内を見て街に出る。

ホテルから10分ほどの四川料理の店「上海楼」。メニューを見るとロブスター
は時価。ボーイに聞くと60−70カナダドルだという。大体5000円。

さっそく注文すると、まもなくボーイがトレイに生きたロブスターを乗せて持っ
てきた。見たこともないような大きなロブスター。食事中のカナダ人達がいっせ
いに僕らを見る。

「えーっ、こんなに大きなのいくらなの」
不安そうな妻。

60ドルだという。OK、OKだ。
みごとなロブスターの四川風辛み味炒めが運ばれてくる。
「うーん、みごと」

一口箸を運んで思わずうなる。ほんとにうまい。こんなにうまいロブスターはこ
れまで食った事がない。近 くのテーブルで食事中の家族連れがチラチラとぼ
くらのテーブルを振り返る。

日本人観光客はぼくらだけ。地元の人達の食事
はにぎやかだが,質素だ。こんな高いロブスターなど食う人はいない。なんだか
ちょっぴり恥ずかしい。

でも、うまい。食べて飲んで124ドル。2人で10000円だから、日本の料理が
いかに高いかわかる。僕も妻も満足、満足。


翌日、ジョージア海峡をフェリーでクルーズ。ビクトリア市内を観光した。
ブッチャートガーデンは今が花の盛り。あふれる花々の間をぬって写真を
パチパチ撮りながら散策する。


ビクトリア市内もおしゃれな街だ。英国風の垢抜けたお店がずらっと軒を
連ねる。港は太陽がまぶしい。港沿いに大道芸人たちが思い思いのパフ
ォーマンスで観光客を笑わせる。


妻はおしゃれな陶器店でおしゃれなテイーカップとかわいらしいシュガー
ポットを買い、満足そうだった。あとは成田への長いフライトが待っている。


・1日目(8月5日)

成田発      JL046       13:15
ダラス着                 11:00
ダラス発     AA488       14:07
 トロント着     バス         18:15

       ナイアガラフォールズ(泊ヒルトンナイアガラフォールズ)

・2日目(8月6日)
 ナイアガラの滝観光、バスでトロント市内観光

トロント(泊トロントコロニーホテル)

・3日目(8月7日)
 トロント発    CP579        14:00
 カルガリー着   バス         16:08

バンフ(泊バンフスプリングスホテル)

・4日目(8月8日)
カナデイアンロッキー観光
       (泊ラデイソンホテルキャンモア)

5日目(8月9日)
 カルガリー発   CP1447      12:30
 バンクーバー着             12;59

・6日目(8月10日)
ビクトリア市内観光
 バンクーバー(泊センチュリープラザホテル)

・7日目(8月11日)
  バンクーバー発  JL011       15:05

・8日目(8月12日)
    成田着                   16:50
 

 

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